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3-2. キーワードに対応したモデルケースの設定

報告書目次: 第3章 データベースの試作と評価
(2002/04/11 更新日: 2019/06/17)



(1) 山形らしさから見たモデルケース


 山形県らしさを表す地域文化にはどのようなものがあるだろうか。データベース試作では、数多くのキーワードの中から「民話」「草木塔」「紅花文化」を採り上げた。
 これらのデータベース試作に当たっては、インターネットへの公開を前提とし、具体的にどのような資料があり公開ができるかどうかの確認を行った。データベース化するには、まず既存資料の所在と保管状態などを確認し、それらがどのようにデータベース化できるかを見極める必要がある。
データベース構築には、資料の収集、資料の分析や整理、不明な事柄に関する新たな研究といった地道な努力と労力を伴う。どの分野においても完全な資料が存在するわけではなく、完全なデータベースを構築することは不可能である。本研究で制作したデータベースも試作に留まっていることをあらかじめお断りしておく。いずれも山形県の代表的な文化研究家、文化施設の研究成果や資料・文化財・活動内容を対象にデータベース化を試みた。既存の資料、資料や素材の発掘などが具体的にどのようにデータベース化できるかを具体的に例示することが試作の目的である。これらをベースに今後、県民有志の参加により、より完全なデータベース化が図られる取り組みの出発点となれば幸いである。

(2) 民話データベース


 「民話」として捉えられる文化には、物語や物語に込められた教訓・生活の知恵などのコンテンツ・メッセージに関わるものから、民話が生活の中で人から人へ伝えられる「語り」としての文化、物語と語りを表現する「方言」との膠着性など、さまざまな側面がある。
 さらに、社会や生活の全てが変わり、民話の語りの空間であった家庭から囲炉裏端は消え、生活の一部を成していた民話文化は、情報メディアの発達と共に次第に絵本やアニメーションなど大量消費型の、地域特性が希薄な性格の娯楽教養文化へと移行してきた。地域地域に数多く伝承されてきた民話は、現在では世代交替と共に薄れ、南陽市・夕鶴の里の活動に代表されるように民話ボランティアによる民話の語りによって無形的な民話の伝承・保存が試みられている。
 民話データベースの試作に当たっては、民話研究家による民話の聞き書き資料、民話調査の学術的資料を集成することを第一に考え、これらの資料の確認を行った。
 調査に当たっては、南陽市夕鶴の里および民話研究家・武田正氏の御協力をいただいた。
 この他、山形県が昭和58年度から60年度にかけて行った民話調査の録音テープをデーターベースの対象とした。

【協力者】南陽市夕鶴の里、武田正氏(民話研究家)

【掲載データ】民話ボランティアによる語り
【掲載許諾者】南陽市夕鶴の里、民話ボランティアの皆さん
【採録形式】 動画(QuickTime形式)

【掲載データ】武田正氏による下記の民話資料(画像として採録)
 山形民話の会・武田正編 『及位の昔話(一)』 1980
 山形民話の会・武田正編 『及位の昔話(二)』 1980
 山形民話の会・武田正編 『及位の昔話(三)』 1980
 山形民話の会・武田正編 『及位の昔話(四)』 1980
 山形民話の会・武田正編 『及位の昔話(五)』 1981
 武田正編『とーびんと−六兵衛翁昔話』 1967
 武田正編 『山形県 上山市 楢下 −佐藤家の昔話(一)』 1971
 武田正編 『山形県民話集成草稿(一)動物(一) 』 1976
 武田正編 『山形県民話集成草稿(二)動物(二) 』 1976
 武田正編 『山形県民話集成草稿(三)本格(一) 』 1977
 武田正編 『山形県民話集成草稿(四)本格昔話(二) 』 1977
 武田正編 『山形県民話集成草稿(五)本格(三) 』 1977
 武田正編 『山形県民話集成草稿(六)笑話(一) 』 1977
 武田正編 『山形県民話集成草稿(七)笑話(二) 』 1977
 武田正編 『山形県民話集成草稿(八)笑話(三) 』 1977
 武田正編 『山形県民話集成草稿 補遺(一) 』 1978
 武田正編 『山形県民話集成草稿 補遺(二) 』 1978
【掲載許諾者】武田正氏
【採録形式】 画像(スキャナ入力)

【協力者】山形県教育委員会文化財課、山形県教育センター

【掲載データ】
 山形県民話調査録音データ(昭和58〜60年度)(音声データとして採録)
 山形県民話調査目録(1987年3月)
【掲載許諾者】山形県教育委員会文化財課
【採録形式】 音声(QuickTime形式、MP3形式、WAV形式)

(3) 草木塔データベース


 草木塔は山形県とりわけ置賜地方、さらには米沢市に集中的に数多く存在している。県内に数多く存在する草木塔も県外には極めて数が少ない。伐採した樹木を供養する心を表現したものが草木塔である。自然環境保全の大切さが広く認識されるようになった現在、山形県の草木塔文化は、自然を敬い、大切にする人類共通のテーマとして、山形県を代表する文化である。
 データベース化に当たっては、草木塔研究家・梅津幸保氏から提供を受けた研究成果を中心に整理を行った。

【協力者】梅津幸保氏(草木塔研究家)

【掲載データ】山形県立博物館研究報告書・第5号(1984年3月)
【掲載許諾者】山形県立博物館
【採録形式】 画像(スキャナ入力)

【掲載データ】草木塔を訪ねる ふるさとの文化を歩く−米沢から(1998年2月)
【掲載許諾者】梅津幸保氏
【採録形式】 画像(スキャナ入力)

【掲載データ】草木塔の写真
【掲載許諾者】梅津幸保氏
【採録形式】 画像(スキャナ入力)

(4) 紅花文化データベース


 紅花は、近世において出羽国の主要産物となり、さまざまな形で現在の山形県域、とりわけ村山地方を中心に紅花文化を派生させた。紅花の大部分は京都へ送られ、主に西陣織などの染料として重宝された。紅花の交易は最上川舟運に支えられ、最上川流域を中心とする文化圏を形成している。京都との交易は、紅花商人の文化を育み、織物や雛人形、京言葉などの京文化を最上川流域にもたらした。
 現在、こうした紅花文化は河北町紅花資料館を初め、各地・各所に伝えられている。
 データベース化に当たっては、河北町の協力を得て、紅花資料館パンフレットの全文採録、全図版の採録、さらに紅花資料館収蔵品の撮影を行い、これらを項目別に編集する方針を採った。

【協力者】河北町、河北町商工会、矢作春樹氏

【掲載データ】紅花資料館パンフレット(1994年)
【掲載許諾者】河北町
【採録形式】図版は画像(スキャナ入力)、文章はテキストデータ化

【掲載データ】紅花資料館収蔵品
【撮影・掲載許諾者】河北町
【撮影者】東北芸術工科大学撮影チーム
【採録形式】画像(デジタルカメラによる撮影、DVビデオから抽出した静止画、フィルム撮影)


(執筆者: 前川道博)
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