むすび

むすび
 湯殿山は江戸時代以降、民衆の信仰を集めてきた山であった。そして湯殿山への道である六十里越街道も信仰の道として栄えた宗教道路であった。
 本稿では内陸側の集落を歴史的いみたのであるが昔ながらの山岳宗教集落としての姿を残しているのは岩根沢集落で、その他の集落は宗教集落という見地からはほとんど衰退してしまっていた。現在では出羽三山への登拝は観光的、地理的にみても明らかに羽黒山の手何口からが有利であり、内陸側には特筆すべき史跡が残っていないことも羽黒口に観光客(御行様)を集めている要因いなっているものと思われる。
 しかし志津集落の月山夏スキーに代表されるように内陸側は新しい観光に力を入れており、弓張平のレジャー施設の整備や、山岳ハイウェイ月山花笠ライン、それに昭和60年度完成の寒河江ダムなどにより新たな魅力を増していくものと思われる。
 この論文では各集落の歴史的変遷が中心になったため、信仰圏の民俗事例などいついては考察が及ばなかった。又、参拝講の石碑の分布などについてもこれから研究を続けてみたいと思う。

西川町教育文化課 主任 松田憲州 記

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