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星条旗よ永遠なれ〜マーチ名曲集

カテゴリ: おすすめレビュー 地域: どこか
(登録日: 2006/09/23 更新日: 2024/04/02)


2000
ソニーミュージックエンタテインメント
ニューヨーク・フィルハーモニック, スーザ, バーンスタイン(レナード), J.F.ワーグナー

この「おすすめレビュー」は、mixiの「おすすめレビュー」(CDクラシック)に投稿したものです。
 

おすすめレビュー


このアルバムを聴いたのは多感な大学生の時。それ以来、私の思い出のアルバムの一つです。昨日、CD店の店頭でこのCDをみて懐かしくなり久々に聴き入りました。

そもそものきっかけはバーンスタインの来日公演。フリーの指揮者だったバーンスタインは晩年には来日の頻度が低く、東京での最後の公演の2回は1979年、1985年です。私が聴き逃した1985年、イスラエル・フィル公演でのマーラー9番の名演は語り草になっていて、聴けなかったのが悔しい。1979年はニューヨーク・フィル公演。その時のマーラー1番もまた物凄い演奏でした。その感動が20数年経った今でも鮮烈です。さらに、その時のアンコールで演奏されたのが「星条旗よ永遠なれ」。この時の演奏が実によかった! 生粋のアメリカ人たちが演奏するとマーチは体に染付いた自国の音楽という必然性となって伝わってきて、イデオロギー臭さがない。実にすがすがしい。マーラーに立て続いても全く違和感なしです。バーンスタイン+ニューヨーク・フィルってこんなに凄いのと実感したのが、その時の「星条旗よ永遠なれ」です。

最も感動したことの一つはストリングの美しさ。バーンスタイン/ニューヨーク・フィルのマーチ集の魅力の一つはストリングの介在です。ブラス一辺倒でないふくよかさがあって、実にいい!

リズムの歯切れよさ、テンポの揺さぶりはバーンスタインの体に染付いたアメリカの呼吸のような感じすらします。物凄く揺さぶっていますよ。しかもあるところはめちゃくちゃ速くなる。テンポがどんなに速かろうがしっかりと小刻みに演奏を刻めるニューヨーク・フィルの演奏力の高さにも圧倒されます。

今改めて聴き直してみると、意外なほどにバーンスタインのマーラー演奏を彷彿とさせる演奏の特徴が随所に出てくる。「星条旗よ永遠なれ」の後半、テンポを緩める一瞬。ティンパニが入ってくるタイミングなど、マーラー1番第3楽章のフレーズに非常によく似ています。聴き覚えがあります。

アルバム全体としては選曲がバラエティーに富んでいて面白い。「リパブリック賛歌」はヨドバシカメラかと思って微笑ましくなります。日本のCM文化に毒された結果ですね。さらにレコード時代と違い、CD版になってから同じアルバムなのに曲数が増えている(笑)。15〜20曲目は私にとって初物です。

ブラスブラスした感じがなく、質の高いオーケストラ演奏でマーチが聴けるというのが幸せです。イチオシのおすすめです。
 
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