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今後の展望3:小学生でも使えるPushCorn

分類目次: イントロダクション
(初期登録: 1998/01/22 更新日: 2004/04/21)

本来の目的は「誰もが使えるツール」


「誰もが気軽に情報発信できるツールを」という目的意識で、「PopCorn」を作ったのですが、私がやりたいと思っていたことを実現していくうち、わかりにくい仕様のツールになってきてしまったと感じています。現時点では、ツールを使うために、「ページ自動生成スクリプト」をカスタマイズする必要があります。この問題は、ユーザインタフェースの改善により解決できますが、現実にはあれもこれもは一度にできないという切実な問題があります。この点は徐々に解決を図りたいと思います。
 

PopCornの目的は2つある


PopCornが、わかりにくいツールになった理由には、そもそもPopCornには、「知識増大ツール(高生産性情報整理ツール)」としての側面と、「誰にでも使える情報発信ツール」の側面があったことが挙げられます。前者が優先して、後者への対応が後回しになったことがその理由です。2つの課題を同時的に解決しようとして、PopCornを開発したので、問題が解決しきれずに現在に至っています。
 

誰にでも使えるツールの切り札「PushCorn」


「PushCorn」。これが、誰にでも使えるツールの切り札です。なぜ「Push」か。ポップコーンの「ポップ」という言葉は、コンピュータのメモリ管理で用いられる「スタック」に対する2つの操作、即ち、「ポップ」と「プッシュ」の「ポップ」にも対応しています。スタック(積み重ねられた干し草)状のデータに、順次データを追加していく処理には、「プッシュ」という言葉が似合います。一方、PopCornは、自動生成されたデータをWebページとしてポップするツールなので、これには「ポップ」という言葉が似合います。

PushCornは、PopCornのデータを更新するためのインタフェースとなります。このインタフェースの中に、ツール習得のさまざまな難しさが隠蔽されてしまうので、PopCornが本当に誰でも使えるツールに変身するわけです。

実は、PushCornの原型となるインタフェースツールは既に試作済で、小学生にも利用してもらいました。その利用実験で、子どもたちが自分の力で予備知識なしにホームページを作ることができることが証明されました。実は、子どもたちは、PopCornというツールの存在を知りません。また、自分たちがデータ入力に使ったページの裏側で、PushCornのプログラムが動いていることも意識しませんでした。まして、HTMLなど意識することもありません。子どもたちは、夢中でページ作りに没頭してしまいました。大人たちにも難しかったホームページ制作を子どもたちが簡単にやってしまったわけですから、ツール導入以前と以後の間には、あまりにも大きな差があります。
 

知識のフィードバックが命


「PopCorn」の適用効果は、常識を超えたサイト規模の実現にあらわれています。私の試作サイト『マッピング霞ヶ浦』は、10,000ページ規模に達しました。ここまで来ると、個人の力で10万ページ規模のサイト構築は、決して無謀な試みではないとすら思います。それよりも、多量の情報の素材と接しながら、それらを手中に収め、閲覧可能性を維持しながら、新たな素材を追加し相互的な関連づけ、意味付けを行っていけるという思考過程のフィードバックの威力には計り知れないものがあります。情報を生産していく(それと共に思考が繰り返され、知識が増大していく)面白さこそが、「PopCorn」の存在理由を支えていると言えます。ツールは単なるツールでしかありませんが、これをどう利用するかで、結果は大いに変わってきます。個人のホームページ制作を「情報発信」のような言葉で語ることは多いのですが、「情報発信」を謳った取り組みは、内容をお粗末にすることが多いようです。おそらく、素材の生産、素材の価値づけといった本質的な契機を欠いていることがその理由でしょう。「情報の生産」、「知識の増大」を楽しむところに、「情報発信」の極意があります。
 

子供が興味を持てるメディアに


知識のフィードバックをどのように支援できるか、次の目標をこの点に置いています。子供たちはいろいろなことに興味を持ち、それと共に物事の理解を深め、知識を増やしていきますね。小学校にもインターネットが普及しつつある現在、子供たちの潜在的な能力がメディアの高度化によって開発されるチャンスが到来してきたにもかかわらず、Webはそのためのメディアとしては成熟していません。何より学校の先生が、メディアの理解を深めないと、子供たちがメディアを活用するに至らないというのは、残念なことです。何かを調べ、それを情報としてまとめ、さらに次の理解へ進んでいく…という使い方に、「PopCorn」は適合しています。また、子供たちが自分の興味を深めていく過程に、メディアを進化させていく多くのヒントがあるのではないかと思います。「PushCorn」が、子どもたちのメディアになったことは、前述したとおりです。大人が使って成功したツールを子どもが使えるかは保証の限りではありませんが、子どもたちが使えたツールは大人も使うことができます。メディアとはそれぐらい易しくなければ、本当のメディアとは言えません。「PopCorn」「PushCorn」が早く、そのようなメディアに成長することを願っているところです。
 
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