[ 分類目次(イントロ)へ戻る | ←← | →→ ] [ 分類目次(イントロ) | 初期登録(1998/01) ]

今後の展望1:10万ページ規模への対応

分類目次: イントロダクション
(初期登録: 1998/01/22 更新日: 2004/04/21)

自動生成技術による第1のブレークスルー


Webを使った情報の生産性は、限界があります。私はその生産性を高めるために「PopCorn」を作ってみたわけですが、この過程では生産性を向上させるための2回のブレークスルーを経験しました。

「PopCorn」適用前は、手作業によるHTML記述を行わざるを得ないために、生産性は極めて低いものでした。一度制作したページの修正、構成の変更・拡張などもしにくく、リンクエラーの撲滅なども大変で、いいことは何もなかったと申し上げておきましょう。こういう作業が結構大変なので、手工業のごときページ制作の作業が特殊技能化している状況は、世の中にとって誠に嘆かわしいものです。Webページを直接手書きするのでなく、ページ自動生成技術を適用することにより、生産性が大幅に向上しました。これが第1のブレークスルーです。
 

「映像クリップ」による第2のブレークスルー


さらに、「映像クリップ」を一括生成する機能を追加したことにより、ページ生成数は飛躍的に増大しました。これが第2のブレークスルーです。

これを粗製濫造ではないかと評価する人はいるかもしれないと思っていますが、不思議なことにそういったご意見はいただいたことがありません。このことは、情報の質以前の問題として、殆どの人にとってWebは縁のないメディアであり(要するに皆のためのメディアに成熟していない)、生産性も極めて低い(生産システムに問題がある)という問題が、皆の前に立ちはだかっているということを物語ってもいるのでしょう。私は、「映像クリップ」が、隠れた価値の情報を発見する可能性を一気に増大させたという意味での効果には計り知れないものがあると感じています。半世紀前、ブッシュが予見した「価値ある情報発掘のためのメディア」に一歩近づいたという感じがします。試作サイト『マッピング霞ヶ浦』は、サイト開設後の約1年間で10,000ページ規模に達しました。しかし、とてもこの程度の情報量では、私が考えている知識増大の目標には及びません。

第2のブレークスルーを通過した現時点で生産性は歩留まり状態です。
 

来るべき第3のブレークスルーへの期待


1998年5月時点で、上記の『マッピング霞ヶ浦*』は15,000ページを超えました。PopCornを適用して制作した私の他のサイトも合わせれば既に20,000ページを遥かに超えています。「映像クリップ」を導入した時点で、10,000ページ規模のサイト構築は、既に現実的な目標値となっていました。ですから、この規模は今となっては驚くほどのものではありません。

面白いことに、10,000ページ規模の情報量は、ビデオを撮影し、ページ制作を行った私自身には、手中に収まっており、あまりたいした量ではないと感じます。また、私が扱いたい情報のほんのちょっとしか扱っていません。生産性を向上させるブレークスルーへの期待が高まる所以です。「個人の知識の記憶」を実現するメディアへ近づけていくことが、目下の、そして継続的な目標です。
 

第3のブレークスルーをもたらす方法


はっきり申し上げて、第2のブレークスルーですぐに出せる切り札は出してしまいました。これは、データの整理を人力に依存している方法の限界ではないかと思います。これをさらにブレークさせるためには、素材制作を自動化する方法の援用が不可欠です。私は、以前から、データ抽出の自動化技術に関する研究もしてきました。やっと、この段階に至って、分離していた両方の研究が一つに統合化されるのではないかという地平が見えてきた感じがします。

現在考えているブレークの方法は、素材(静止画)抽出を手作業によるのでなく、全て自動化することです。連続静止画抽出ツールは、既存のツールがあるので、それを使うことで第3のブレークスルーはもたらされることでしょう。「映像クリップ」の一括自動生成をさらに省力化するようにエンハンスすることで、第3のブレークスルーがもたらされることは、すでに見えています。
 

第4のブレークスルー


第3のブレークスルーがもたらされると、個人が100,000ページ規模のWebサイトを作ることは現実のものとなります。しかし、100,000ページ程度の量の情報は、たいしたものではないということも想像がつきます。この程度の情報量では、個人が扱っている情報のほんの一部しか扱うことになりません。おそらく、第4のブレークスルーが実現した時には、新たなボトルネックが発生することが想定されます。すなわち、ビデオ撮影がボトルネックとなって情報量の増大を阻むという状況です。ともかく、そこまで到達しないと、個人による情報マネージメントは本物にはならないでしょう。
 
[ 分類目次(イントロ)へ戻る | ←← | →→ ] [ 分類目次(イントロ) | 初期登録(1998/01) ]
[ ホーム| ]
「PopCorn」リファレンスマニュアル
検索 表示 要約
ご意見・ご感想はこちらへ: 前川道博@mmdb.net