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ミッチーのほぼ日記

[07/07/04]トポロジーマップ

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(登録日: 2007/07/04 更新日: 2024/02/22)


GoogleMapsのalternativeと言ったら恐れ多すぎます。そこまで気張る必要もない。2次元の地図をやめて、トポロジーマップを使うように地図のモデルが代替したらこの世の中、よくなりますよ!

認知地図というものに興味があります。なんでそんなことを思うようになったかというと、いくつか誘因があります。一つは学生たちがどこかへ行きながら地図上の位置を認識していないこと。GoogleMapsで座標指定すると大外れの位置をポイントしているのに本人が気づかないことが実に多いという現象。もう一つは道を聞かれて行き方を伝えることの難しさ。これも「マルチメディア論」で試してみました。うーん、よくわからない説明。それでは上田駅へは行けないでしょう(笑)。学生たちにいろいろ教えてもらって知見を得ているようなものです。

ここで示唆されることは人間の認知能力はそれほど高くないので、なるべくやさしい表現で補う必要があるということです。学生たちから受けた啓示といってもいいぐらい。人間の表現能力の限界といってもいいかもしれません。どこへ行って、どこへ行って、どこへ行って、という逐次的な遷移の表現は誰にでもできます。つまりノードとリンクによる口述というんでしょうか。それで頭に浮かぶのがトポロジーマップです。トポロジーを理解できない人は多くても、描いたトポロジーマップ自体は難しくありません。単純さそのものが最大のウリです。

地域マッピングでサンプリングした画像の連なりは、非常に単純なノードとリンクのトポロジーマップに転移します。道程は点を移動して軌跡を描く構造体のもの。いわゆる一筆書きです。道筋を描くわけですから、例えば ○―○―○―○―○―○―○―○―○… と記述すればいい。ただ地図とするにはこれでは不十分で分岐型ノードがいります。分岐型ノードを加えることにより記述が極めて高度に構造化されます。要素は3種類。これ以上のものはいりません。このモデルは鉄道などの「路線図」です。一応、2次元的に表現されているものが多いですが、あれらの地図の本質はトポロジーマップです。

地域社会の現地に赴くと、そのようなことは抽象論では全くないことに気づかされます。私が前から興味を抱いたのは湖岸マップ。例えば霞ヶ浦の湖岸線は一直線で描くことが可能です。また2次元的な距離や方向の感覚は全く不要です。湖岸線に沿っていさえすれば方角はどこでもいいし、距離の長短など全く問題にすらなりません。実際の湖岸線に立つと方角感覚が喪失し距離感覚が喪失します。途中たしかに曲がったりしていますけど、果てしなく一直線を移動しているという感覚しかありません。これはトポロジックな空間ではなかろうかと思ったのがまさに霞ヶ浦の湖岸線です。リアルな空間ですらそういう感覚に陥る体験になってしまいます。

〔01/08〕霞ヶ浦一周(中岸編)

これは実世界にある目印を活用し湖岸線マップを描こうと試みたものです。

トポロジーマップは2次元地図と比べて何がよいのでしょうか。記述が簡単になる。物理的条件を排除してくれると地図表現が簡単になり、いろいろな情報提供に応用が効くということです。ケータイなどでの地図情報提供にうってつけですよ。
 
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