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第二回甲府市歴史公園市民見学会レポート(2006.08.20)


第二回 甲府市歴史公園 市民現場見学会


■日時:平成18年8月20日午後1時30分〜2時30分
■場所:現地
■主催:甲府市教育委員会

<この第二回見学会のリポートでは、第一回見学会で説明された内容については省略する。>

見学会の様子

1. 甲府駅周辺整備課長・茂手木様の挨拶
平成10年度にこの地の埋蔵文化財の調査を行ったところ、石積みの基礎が見つかった。そのため、歴史公園として石積みの復元と山手門、山手渡櫓門の復元をすることになり、現在進行中である。工事は平成17年6月に着工した。進捗状況は、木工事も完成し、現在左官工事と屋根工事を実施中で、約70%の進捗率。完成は平成18年度中、平成19年3月に竣工となる。
竣工後は2階を一般に開放し、皆様の生涯学習の場として、観光の場として整備をしていきたい。その他甲府駅周辺整備課の事業として、舞鶴陸橋の西側に駅前広場、多目的広場を21年度までには完成させたい。北口周辺は様変わりすることになる。

2. 甲府城の歴史について教育委員会・望月係長より説明(第一回説明会レポート参照)

3. 山手門建築担当係長・輿石様、土木担当係長・石川様の案内で現場見学

4. 現場での説明
 第二回見学会のメインは400年前の工法で造られている袖壁(そでかべ)である。
 現在間渡し竹(まわたしだけ)と小舞竹(こまいだけ)を組んだ後、土壁で仕上げ、大斑直し(おおむらなおし)をして養生しているところである。
 最初に心棒として間渡し竹を縦横に組む。使う竹は直径3〜4cmの竹で、頑丈に棕櫚縄(しゅろなわ)で結ぶ。山手門が造られた当時は県内産の竹を使用したようだが、現在は国内産、千葉県のものを使っている。竹は3年もの以上で秋に採れたものに限る。春夏に採れる竹は水を吸っているので将来的にひび割れの危険があるため、水を吸うのをやめた秋に採れる竹が良い。
 その上に竹を縦に6本程度に割った小舞竹を縦横に並べ、間渡し竹に棕櫚縄で頑固に結ぶ。
 これが仕上がったら荒壁土(あらかべど)を塗り込む。荒壁土は土にわらを10cm程度に細かく切ったものを混ぜ、3ヶ月から6ヶ月置き腐らせたものである。当時は若草などから採取された土が使われたが、今回は県内産の土と愛知県三州(さんしゅう)の土を混ぜ合わせている。この養生期間が過ぎたら、手で土をこねて赤ちゃんの頭大の大きさの土だんごを作り、手で竹と竹との間を荒壁土で埋めていく。まず壁の屋外側を塗り、土が乾燥するまで1ヶ月程度待つ。80%程度まで乾燥したら、今度は壁の屋内側から塗る。
 これが完全に乾き、ひびが入り切ったところで、大斑直し、小斑直し(こむらなおし)と呼ばれる不陸(ふりく)の調整をする。
 この後中塗りをし、下漆喰(したしっくい)を塗り、白漆喰(しろしっくい)を塗って仕上がりとなる。
 左官作業は全部で7〜8行程ある上、塗るごとに1ヶ月の養生期間があるので、思う以上に工期が必要である。
 


第二回のメインテーマ「袖壁」の写真

記録日: 2006/08/20 甲府城


配付資料

記録日: 2006/08/20 甲府城


国際建設株式会社・小林勉様が撮影された写真
(25件)
01 山手御門復元建築工事写真・第二回説明会分-01 02 山手御門復元建築工事写真・第二回説明会分-02 03 山手御門復元建築工事写真・第二回説明会分-03 04 山手御門復元建築工事写真・第二回説明会分-04
05 山手御門復元建築工事写真・第二回説明会分-05 06 山手御門復元建築工事写真・第二回説明会分-06 07 山手御門復元建築工事写真・第二回説明会分-07 08 山手御門復元建築工事写真・第二回説明会分-08
09 山手御門復元建築工事写真・第二回説明会分-09 10 山手御門復元建築工事写真・第二回説明会分-10 11 山手御門復元建築工事写真・第二回説明会分-11 12 山手御門復元建築工事写真・第二回説明会分-12
13 山手御門復元建築工事写真・第二回説明会分-13 14 山手御門復元建築工事写真・第二回説明会分-14 15 山手御門復元建築工事写真・第二回説明会分-15 16 山手御門復元建築工事写真・第二回説明会分-16
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21 山手御門復元建築工事写真・第二回説明会分-21 22 山手御門復元建築工事写真・第二回説明会分-22 23 山手御門復元建築工事写真・第二回説明会分-23 24 山手御門復元建築工事写真・第二回説明会分-24
25 山手御門復元建築工事写真・第二回説明会分-25

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