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信州風穴アーカイブ

上田周辺の風穴

カテゴリ: 第3回全国風穴サミット資料 地域: 上田市
(登録日: 2017/03/04 更新日: 2017/08/05)


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記録日: 2016/08/28 上田市

上田周辺の風穴について         平成29年3月3日
はじめに
 風穴というのは、山の中の斜面から、夏でも冷たい風が噴き出す場所のことですが、私たちは地中から冷気が吹出す不思議に取りつかれています。傍陽の中組には「氷平風穴」があり、上田市で五つの古い風穴の一つです。上田周辺の風穴は現在30カ所の風穴が確認されております。
 この風穴には冬に暖かい空気が吹き出す温風穴があり、対になっています。この冷気が吹出す原理はわかっておりません。ある学者は地中に永久凍土や冬の間に冷やされた岩石があるのだといい、又ある学者は冬の寒さがクーラーボックスの保冷剤のような存在になる。ある学者は岩の間を通る空気の気化現象により冷却されるとしていいます。地中から温風が吹き出す原理は誰でも想像できます。それは地中深くの温度が高いために温泉や間欠泉が吹出すことでわかります。
 氷平風穴にも温風の出る温風穴を確認してあります。上塩尻の温風穴の中に「梅の鉢」を入れて置くと早く花が咲くそうです。これは我が国でただ一つの活用例です。
 もう一つ、風穴の不思議な原理を応用したのがお蚕の種(卵)を冬の冬眠状態にして、春はまだ来ないよ! とお蚕の卵を冬の状態にしておくことです。風穴で温度を調整して、孵化させるのを遅らせ、春から秋まで孵化の時期をずらせ、1年に何度も繭を作り、日本の製糸業は発展し「蚕都上田」と言われるようになりました。
 蚕種の保存のほか「漬物」・「リンゴ(果樹)」・「椎茸」・「樹種の種」・「苗木」・
「花卉類」等の貯蔵もされました。近年では「酒類」・「蕎麦」の保存や「お蚕のDNA」の保存で話題になっています。
 山の隅々まで知っていた私たちの先人は、風穴の不思議に気付き、それを活用して来たことにびっくりです。
 私たちは自然の不思議を見つめながら、地域を育んできた「養蚕業」により現在の基盤ができてきたことを誇りに思います。その遺産である風穴がたくさん残って「風穴の郷」地域の皆さんと共に「風穴の不思議」と「風穴の役割り」を未来に繋げたいと思うのです。
(上記写真は第三回風穴サミットの模様です)
 
 
(2件)
01 上田周辺の風穴 02 上田周辺の風穴

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