湯浅譲二を聴く2025/11/12
カテゴリ: コンサート 地域: 東京都
(登録日: 2025/11/23 更新日: 2025/11/27)
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記録日: 2025/11/12
このコンサート
★アンサンブル・コンテンポラリーα 湯浅譲二 追悼コンサート 【日時】 2025年11月12日 (水)19時開演(18:30開場) 【場所】 東京オペラシティ リサイタルホール
【プログラム(全曲 湯浅譲二作品)】 <前半> ◆「内触覚的宇宙」(1957) 大須賀かおり*pf ◆「相即相入」(1963) 丁仁愛*fl-1, 齋藤志野*fl-2 ◆「オン・ザ・キーボード」(1972) 大須賀かおり*pf ◆「ソリチュード・イン・メモリアム T.T.」 (1997) 佐藤まどかvn, 松本卓以vc, 及川夕美pf ◆「弦楽トリオのためのプロジェクション」 (2001) 野口千代光vn, 安藤裕子vla, 松本卓以vc ◆「つぶやき」ソプラノと7人の奏者のための (1988) 太田真紀*sop, 丁仁愛*fl, 鈴木生子cl, 花田和加子vn/vla, 北嶋愛季*vc, 山田岳*amplified gtr, 神田佳子perc, 及川夕美pf, 鷹羽弘晃cond <後半> ◆「世阿彌・九位」4チャンネルテープと室内アンサンブルのための (1987-88) アンサンブル・コンテンポラリーα
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コンサート雑感
オペラシティリサイタルホールで、作曲家・湯浅譲二さんの作品を生で何十年ぶりかで聴きました。モーツァルトやベートーヴェンもよいけれども、現代音楽はもっと多様で面白い。
1920年代後半から1930年代前半にかけて生れた世代からわが国を代表する作曲家が輩出しました。湯浅さんは1929年生まれ。黛敏郎さんと同年です。武満徹さんは1930年。この年代の作曲家は綺羅星のごとくです。にもかかわらずどの作曲家の作品も演奏機会は少ない。20世紀の優れた作品群が社会に埋もれたままです。「もったいない!」。
この日のコンサートの前半の6曲、いずれもクリエイティブで、作品の品格を感じました。クラシックな現代音楽の面白さに触れました。ピアノ、フルート、それぞれの楽器の音色が引き出されていて面白い。ソプラノの『つぶやき』も出色。まるで『月に憑かれたピエロ』。こういう肉声の試みしたかったんだというチャレンジ的な遊び心を感じました。以前から湯浅作品にはコスミックな音楽観を感じてきました。小品には小品のよさがあるというのが今回の新たな発見。小品であるが故の「音」の活かし方に真髄を感じました。音を楽しむ。まさに音楽。そんなことを感じた良いコンサートでした。
後半の『世阿彌・九位』は9曲で構成した大曲。20世紀の音楽ではお馴染みのホワイトノイズ、また、現実音(ミュジークコンクレート)を交え、生のアンサンブルと共存させる試みをしていました。前半の曲の面白さとは対照的にこちらはやや興ざめでした。今さらホワイトノイズなの? 今さら現実音なの? 時代を超えた普遍性はこれらには感じられない。メディアミックスによる表現のむずかしさ、時代性(表現が経年変化のように陳腐化する)を感じました。コンピュータを使った作品というのですが、どこでどういうふうに使ったのかはこのコンサートからは推察しかねました。
惜しむらくは、湯浅作品に限らず、社会が作品に触れることがないこと。楽譜があって演奏されれば、もっと広がる可能性があります。楽譜をシェアしやすくすること、演奏機会が増えることが望まれます。
このコンサートを主催したアンサンブル・コンテンポラリーαの方々の演奏にも感心しました。演奏、上手過ぎです。心に残る、そして得難いコンサートでした。
会場で湯浅作品のCDを2枚買いました。この時代、どうやってCDを再生して作品を鑑賞するか。現代においてはCDが旧式なメディアで、時代の情勢に合わないアナクロニズムを感じました。それはそれとして、「7人の奏者のためのプロジェクションズ」(1955-56)はCDに収録されていた一曲。ウェーベルン作品ではないかと思うぐらいそっくり。若い時に12音音楽を試みていたんだ、と微笑ましさを感じる作品でした。作曲の系譜を知ることは、作曲家や現代音楽の変容・進化に関する興味を広げます。こういうのも、コンサートで取り上げていただけたら面白いと思いました。湯浅作品はまだまだ演奏してもらうとよい作品が多くありそうです。
私が学生の頃、美術展は印象派でないと客寄せできない時代でした。今は大きく変わりました。クラシック音楽もそろそろ気運が変わってもいいんじゃないの? と思います。
端山貢明(1932年生)作品のコンサート実現にも期待するところです。
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画像クリップ1:つくばから初台へ
深まりゆく秋。沿道で夏に伸びに伸びた雑草を作業員の方が刈っていました。今回はつくば駅から初台へ。TXの終点秋葉原で降り、数分歩いて都営新宿線岩本町駅へ。つくばから初台にアクセスしたのはこの時が初めてです。オペラシティになんとつくばでもお馴染みの「わくわく広場」がありました。とあるお店で蕎麦を賞味し、会場へ。
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画像クリップ2:オペラシティ
オペラシティ リサイタルホールはこの時が2回目です。久しぶり。余裕を持って会場に着き、開場を待ってホールに入りました。開演間際になるとほぼ満席に。
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画像クリップ3:初台からつくばへ
コンサートが終わり、初台からつくばへ。途中、岩本町駅から秋葉原駅へ移動。以外に多くの人がこのルートで乗り換えをしていました。コンサートが終わったのが21:20頃。家に着いた時にはほぼ23時になっていました。乗り継ぎがよい割には帰宅まで意外に時間がかかりました。
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