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 世界の国歌
カテゴリ: おすすめレビュー  地域: どこか  (登録日: 2006/06/17  更新日: 2025/10/19)
 
| 1998
 ユニバーサルクラシック
 国歌, 新日本フィルハーモニー交響楽団, 小澤征爾
 
 この「おすすめレビュー」は、mixiの「おすすめレビュー」(CDクラシック)に投稿したものです。
 
 |  おすすめレビュー
| オリンピックの表彰式はテレビで、物心ついた頃から何度となく見てきたわけですが、実に情けないアンセム(国歌)演奏で勝利者が祝福され、その演奏の貧相さに辟易した記憶は確かに何度もあります。国歌演奏が小澤さんのこのアルバムのような質の演奏だったら言うことないですよ、ホント。
 
 このアルバムは長野オリンピックの時に発売されたもの。冬季オリンピックの参加国が対象なので、若干、有名な国が選曲から漏れていますが、まあ、それはしかたない。
 
 67という曲数はさすがにすごいものがり、なかなか個別の国歌を覚えられません。
 
 世界にこれだけ多様な国の文化が存在しながら、日本の「君が代」だけは非常に独特な音楽と実感しました。はっきりしないリズム、終わったか終わらないかよくわからない感じ。これ、かなり出色なのです。こんな国歌、世界広しと言えども他にない。日本の誇るべき文化的独自性を実感しました!
 
 オリンピックもさることながら、4年に一度めぐってくるFIFAワールドカップの各試合の開始前にも流れます。その国の文化を表徴する国歌は、それ自体が面白い。
 
 個人的に好きなのはイタリア国歌。これいいですよ。アズーリ(サッカーのイタリア代表)のアンセムですね。ヴェルディの作曲ですか。さすが!
 
 スペイン国歌。この曲は王国の気品あるメロディーで大好きです。
 
 極めつけはアゼルバイジャン国歌。壮絶! 何と言うか黒澤明の『隠し砦の三悪人』のテーマ曲かと思いましたよ。あのダイナミズムとドラマ性、日本離れしていると思っていたら、中央アジアに源流があるような音楽でした。まるで黒澤の映画音楽みたいな国歌。これは国歌離れした感じで、とにかく凄い一曲。
 
 大韓民国国歌。改めて聞いてみるととてもメロディーラインの美しい気品あふれる曲。心酔します。
 
 朝鮮民主主義人民共和国国歌。やはり同じ民族の血か。韓国と同様、メロディーラインを歌わせるような曲。
 
 南米諸国の国歌。アルゼンチン、ブラジル、その他。何と言うか、まるでオペラのような曲ばかりですよ。「セビリアの理髪師」みたいな曲ばかり、といったらいいんでしょうか。ブラジル国歌、特にこれは少し変なメロディーと展開で楽しめます。
 
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