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軽井沢で神尾真由子を聴く 2018/04/30

カテゴリ: コンサート 地域: 長野県
(登録日: 2018/05/01 更新日: 2024/04/02)


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記録日: 2018/04/30 軽井沢町

軽井沢大賀ホール 2018春の音楽祭/神尾真由子&クルティシェフ デュオ・リサイタル

昨日4/30、大賀ホールでこのリサイタルを聴いてきました。千ヶ滝別荘地100周年記念と銘打って開かれました。それはさておき…。

大賀ホールを訪れるのは昨年9/30以来、7ヶ月ぶりです。ゴールデンウィーク前半の連休の最終日となるこの日、軽井沢には大勢の人々が繰り出していました。軽井沢の桜の盛りは上田よりは標高が高いため一般的に2週間遅い。場所によってはまだ葉桜になって桜の花が残っていました。さすがに軽井沢は違う。気温も上田を出た時よりは涼し目です。気持ち良い一日でした。

このリサイタルを選んだ理由は選定されている曲目への関心と演奏者が神尾さんであること。前半、後半ともに聞いてみたい曲が並んでいます。とりわけ後半に興味を引かれました。神尾さんは以前テレビで新進気鋭の若手演奏家として採りあげられ、そのドキュメント番組を見たことがあります。

神尾さんの演奏はシャープで個性の強さが演奏スタイルに反映されています。この日採り上げたミニマルな曲、技巧的な曲に実力を発揮するタイプの演奏家であると感じました。前半のモーツァルト、フランクは演奏は悪くないけれども、どうも合わない。フランクの演奏の激しいこと。フランクのピアノソナタは、日頃、ローラ・ボベスコの演奏で聴いています。情緒的でしっとりとした曲です。が、彼女の演奏はまるで違う。ピアノのクルティシェフも個性が強い。演奏を抑制せず、2人で張り合っている印象です。ある意味面白い。

何と言っても素晴らしかったのは後半のプログラムです。ウェーベルンはCDでは馴染んでいますが、生演奏で聴くのは初めてです。実にいい! 微弱な音を生で聴く緊張感がありました。音が客席から聞こえる音とブレンディングして、さながら偶然性の音楽であるかのごとく。

フェルドマンを聴くのも初めてです。これも微弱音でかつ短い。演奏もかなりよい。

この日の一番の収穫は細川俊夫の作品。歯切れよく、切れ味鋭い作品。先の2曲、ウェーベルンとフェルドマンの微弱音が余韻にあるので、いっそう効果的に切れ味よく聞こえてきました。

ベルトを聴くのも初めて。いくつかのミニマルミュージックを立て続けに聴くと、改めてウェーベルンがミニマルミュージックの始まりでモデルになっていたことが改めて了解されてきました。

度肝を抜かれたのがアンコールの2曲。「剣の舞」、ディニクの曲。技巧的で激しい曲。いずれも短く、アンコール曲としても小気味いい。

神尾さんのヴァイオリンは1727年製ストラディヴァリウスとのこと。この楽器、音色にクセがあります。この楽器を弾きこなすといういうところにも演奏技術の巧みさが表れています。それが演奏の一種のスリリングさとなって、このコンサートをより一層忘れがたくしました。うーん、また聴いてみたい。

曲目
 モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第28番(第21番)ホ短調
 フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
 ウェーベルン:ヴァイオリンとピアノのための4つの小品
 フェルドマン:ヴァーティカル・ソーツU
 細川俊夫:ヴァーティカル・タイム・スタディーV
 ペルト:鏡の中の鏡
 グラス:「浜辺のアインシュタイン」より ニー・プレイ2
 ガーシュイン(ハイフェッツ編):「ポーギーとベス」より
 1.サマータイム 2.女は気まぐれ 3.あの人は逝ってしまった
 4.そんなことはどうでもいいさ 5.ベスよ、お前はおれのもの 6.ブルースのテンポで
[アンコール]
 ハチャトゥリアン(ハイフェッツ編):剣の舞
 ディニク(ハイフェッツ編):ホラ・スタッカート
 

メディアクリップ

(6件)
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