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ムソルグスキー/ラヴェル編:「展覧会の絵」&ラヴェル:「ボレロ」

カテゴリ: おすすめレビュー 地域: どこか
(登録日: 2005/12/01 更新日: 2024/03/11)


2001
東芝EMI
チェリビダッケ(セルジュ), ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団, ラヴェル, ムソルグスキー

この「おすすめレビュー」は、mixiの「おすすめレビュー」に投稿したものです。
 

おすすめレビュー


チェリビダッケの「展覧会の絵」を初めて聴いたのは1980年、ロンドン交響楽団の日本公演。「凄い」という程度をはるかに超え「度肝を抜かれ」ました。その感動は四半世紀経った今でも鮮烈です。こういうインパクトこそ一期一会の味わい。レコーディングはだめよ、という主義主張は実によくわかる。生の感動は無二のものです。

常日頃、CDで聴けるのはこのミュンヘン・フィルのレコーディング。シュトゥットガルト放送交響楽団のCDも持っていますが、明らかにオケの実力不足。演奏の質が伴わない。レコーディングでもチェリビダッケ指揮のよさは伝わってきますが、やはり生にははるかに及ばない…。ロンドン交響楽団とミュンヘン・フィルを比べたらオーケストラがかわいそう。オケの実力差は別としても所詮はレコーディングですから、それなりのものと割り切って聴かないといけません。

チェリビダッケの「展覧会の絵」は滅茶苦茶遅く、また、荘厳。その一方、細部が実に面白おかしく豊かな表現となって現れ、全く飽きさせることがありません。「卵のからをつけたひなの踊り」。これ好きだなあ。思いっきり雛鳥が動き回っている(笑)。「リモージュの市場」。これはいかにもチェリビダッケらしいリズムの妙味。右に左に巨体をゆする指揮の姿が彷彿としてきます。「カタコンブ」。これもいい。音をズドンズドンと重たく落としていくようなチェリビダッケの独特なリズム。本当にチェリビダッケ以外にこういう感じの演奏を引き出す人は皆無なのですよね。「キエフの大門」。もう言うまでもないでしょう。息が止まりそうになるぐらいに引き伸ばして遅い。荘厳。

なんかもう、チェリビダッケ聴いてから音楽の世界観がまるで変わってしまって、「展覧会の絵」を他の指揮者ではまともに聴くことができなくなってしまいました。

満足度★★★★★
 
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