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武満徹:エア,弦楽のためのレクイエム

カテゴリ: おすすめレビュー 地域: どこか
(登録日: 2005/10/06 更新日: 2024/04/02)


1996
ユニバーサルクラシック
ニコレ(オーレル), 武満徹, 遠野凪子, サイトウ・キネン・オーケストラ, 御喜美江, 小澤征爾, 横山勝也, 鶴田錦史

この「おすすめレビュー」は、mixiの「おすすめレビュー」に投稿したものです。
 

おすすめレビュー


先日(2005/10/1)、軽井沢高原文庫で見たばかりの武満徹展が非常に印象深かったです。高校3年の武満が書いた作文の内容が実に凄い。日本にはドイツ浪漫派系と前衛系の2派があり、前者は単なる借り物でたいしたことしていないにもかかわらず、日本音楽界で勢力を持っているのが大問題。後者は雅楽などの伝統音楽に回帰し、伝統を踏まえた表現を模索しようとしていて期待が持てる…と。当時の日本音楽界がまるで裸の王様にされたかのごとく。もちろん後に後者の先鋒になったのが武満本人です。高校生がそんなこと言うかよ、というぐらいに凄いインパクトを受けました。

もう一つ、武満自身は長野県の軽井沢町の隣・御代田町に暮らし、信州の豊かな自然環境の中でその音楽のインスピレーションを得ていたこと。これがあの豊かで繊細な武満サウンドになっている。それが詰まったのがまさにこのCDです。

やはり「弦楽のためのレクイエム」は欠かすことができません。これまで誰の録音のだったっけ? そればかり聴いて来たので、小澤征爾+サイトウ・キネンは演奏の質が違い、ちょっと新鮮でした。

それから琵琶と尺八…ねぇ。武満はいつもこればかりやっているわけではなくて、たまたまこのCDでは、この2楽器の曲が入っていたということなのでしょう。「エクリプス」は割りといい。「ノヴェンバー・ステップス」は、今さら聴かなくてもいいよね、というところがある…。

出色は「系図―若い人たちのための音楽詩―」です。これ、よかったぁ。

満足度★★★★☆
 
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