宮城県田尻町で,冬季湛水水田をテーマとしたシンポジウムが開催されました。冬期湛水水田とは,冬の間乾いている田んぼに水を入れて,水鳥の休息・採食環境となる湿地ビオトープを創出することをいいます。冬期湛水水田を応用することで,蕪栗沼などに一極集中しているガン類の越冬地を分散化することができると期待されています。また,水鳥の糞が残されることによる施肥効果や,水鳥が水田雑草の種子を採食することによる春雑草の抑草効果など農業面でのメリットも期待されています。 今回のシンポジウムでは,韓国の鳥類研究者を招聘して,韓国での冬期湛水水田の取り組みについてもご紹介いただきました。 23日は,午後に田尻町内の冬期湛水水田を視察し,オオハクチョウが飛来しているところを観察しました(写真上)。 夕方からは,基調講演が行われました。演題は次の二つでした。 (1)米国の冬期湛水水田インセンテイブプログラムについて 日本雁を保護する会会長 呉地正行氏 (2)韓国に於ける冬期湛水水田と生物多様性 韓国湿地水鳥連盟 ニール・ムーア氏 (1)は米国で取り組まれている冬期湛水水田プログラムで,当初このプログラムの責任者である米国魚類野生生物局 デール・ガリソン氏を招聘してお話をいただく予定でしたが,結局連絡をとることができず,代わりに雁を保護する会会長の呉地氏がこのプログラムについて紹介しました。 (2)は韓国で実施されている冬期湛水水田について,ムーア氏が達者な日本語でご紹介下さいました。韓国では,冬期湛水水田が生物多様性を保全するという水田の多面的機能として認定され,湛水水田を実施する農家に対して国が機能評価額を直接支払いする制度が行われていることが紹介されました。
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