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たこあしニュース

瀬峰町の花火イベントによる蕪栗沼のガンへの影響について

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(月別インデックス: 2003/03/07 更新日: 2004/01/29)

■調査の趣旨■
 平成15年2月2日に瀬峰町五輪堂山にて花火大会が行われ、約500発の花火が打ち上げられた。五輪堂山は蕪栗沼から直線距離で約3kmにあり、蕪栗沼では花火を視認できるほか、音もはっきりと聞こえる。この花火大会による渡り鳥への影響を調べるため、調査を行った。花火大会当日の朝と、花火大会翌日の朝にカウント調査を行った。本来は当日の夕方行うことが望ましいが、マガンの夕方のカウントは数を正しく反映しないので、やむなく朝の調査と比較することとした。また、花火打ち上げ時に、渡り鳥がどのような反応をするか、目視で確認を行った。

■花火打ち上げ時のガンの行動■
時刻 内容
8:01 花火打ち上げはじまる。マガン一斉に飛び立つ。沼の上空を旋回。
8:02 徐々に旋回の範囲が広がり、南駐車場上空にも群が通過。
8:05 花火の休憩とともに一部が沼へ降りる。花火の開始とともに再び飛び立つ。上空広い範囲でマガン飛ぶ。
8:10 沼の外の上空へ飛ぶ範囲が広がる。沼上空もマガンは飛び続ける。
8:13 ハクチョウが飛び立ち、調査地点上空を通過して南へ。
8:17 オオヒシクイが飛ぶ声が聞こえる。
8:20 花火終了。マガンは大部分が沼の外へ行ったためか、声は少ない。
8:21 沼の中央にマガンが戻り始める。
8:23 東からマガンの群がひっきりなしに沼へ戻ってくる。
8:27 東から引き続きマガンの群が戻っている。
8:31 オオヒシクイが沼の外へ移動。
8:32 ハクチョウが飛び立ち、調査地点上空を通過して南へ。
8:38 引き続き東からマガンの群が戻っている。
8:42 沼の上空を数百羽が飛んでいるが、それ以外は比較的落ち着く。沼からはマガンが激しく鳴き交わす声が聞こえる。
8:49 数百羽の単位で東からマガンの群が沼中央に降りる。上空はまだ飛んでいる。
9:00 沼上空にはまだ約百羽のマガンが飛ぶ。
9:10 調査終了

■調査結果■
 結果については以下の通りである。また、マガンについては1日夕方の戻りで約3万羽を記録している。
種名 2月1日朝 2月2日朝
マガン 34164 17821
オオヒシクイ 661 816
オオハクチョウ 240 360
コハクチョウ 91 47
マガモ 27 40
カルガモ 0 0
コガモ 1 38
トモエガモ 0 0
ヒドリガモ 0 0
オナガガモ 0 1
ハシビロガモ 0 0
ホシハジロ 0 0
ミコアイサ 0 8
カワアイサ 0 1

■気づいた点■
1.2日朝のマガンの数が大幅に減少している。
2.2日朝、北(伊豆沼・内沼)方面から、高いところを飛んで沼に降りるマガンが数多く(約500羽)観察された。
3.2日朝、飛び立ち時、マガンが雁行を作らず、バラバラに飛んでいた。
4.2日朝、飛び立ったマガンがなかなか沼を離れず、上空を旋回して飛び続けた。この状態は1時間以上続いた。
5.2日朝、1羽で沼上空を通過するマガンが多く観察された。
6.2日朝、沼の西側を南下する数千羽のマガンの群が観察された。

■考察■
1.花火による直接の影響(音・光)により、マガン、オオヒシクイ、ハクチョウ類、カモ類が夜間沼上空を飛び回るという異常な行動を示した。
2.2日朝マガンの数が大幅に減少したのは、花火後に伊豆沼へ移動したためと考えられる。
3.花火による間接的な影響として、マガンの群がバラバラになり、統一した行動をとれなくなった。

■まとめ■
 花火による直接的な影響により、マガン、オオヒシクイ、ハクチョウ類、カモ類すべてに影響があった。それほど神経質でないハクチョウ類まで飛び立って移動したことは特筆すべきである。マガンについては約半数が夜間に移動し、蕪栗沼を離れた。また今回はマガンに対する間接的な影響も観察された。花火で夜間飛び立ったために、迷子になったり、群からはぐれたマガンが多かったと推測される。蕪栗沼は近くに送電線や電線がないため、夜間に飛び立ってもそれほどの影響はないのではないかと予想されたが、群がちりぢりになった影響、特に幼鳥については越冬時の危険が大幅に増加したことになり、越冬期間中の生存率に何らかの影響を与えるのではないかと考えられる。
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