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たこあしニュース

オオセスジイトトンボ

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(月別インデックス: 2003/09/11 更新日: 2004/01/29)


2003/8/10 オオセスジイトトンボ


 ある夏の日の出会い(from管理者)。

 8月10日、本当に久しぶりに白鳥(しらとり)地区を歩く。歩くといっても胴長を履いて、ひざ上まで水位がある中をじゃぶじゃぶと歩くのである。目的はミズアオイの写真撮影。青いおしべが右下を向くものと左下を向くものがあるというので、それを確かめたかったというのが一番の理由であった(地味な目的ですな...)。

 ミズアオイは大群落を形成して満開であった。が、急激に水位が上がったためか、株のほとんどが水に浮かんだ状態で咲いており、美しく咲いている個体は少なかった。三脚を立てて撮影するものの、三脚の中にまで水が入ってしまい、なかなか難儀であった。

 さて、そんな中、視界の隅をスイーを飛ぶトンボを見つけた。イトトンボの仲間だ。ここ2年ほどで蕪栗沼のトンボはほぼ制圧したと思っていたのだが、そのイトトンボは「違った」。蕪栗沼に多産するセスジイトトンボに色合いは似ているが、明らかに大きい。体格がしっかりしている。直感的にオオセスジイトトンボではないか! と思ったものの、どこで見分けるのかすっかり忘れてしまっていた。捕虫網も持っていなかったので、やむなく100mmマクロレンズで撮影したのが上の写真である。

 後日スリーブが上がってきてから図鑑をくって調べてみると、腹部第9節の模様からオオセスジイトトンボと同定できた。
 オオセスジイトトンボは、本当に希少なトンボの一種である。宮城県でもごく一部の湖沼で確認されているだけであり、国レベルでも宮城県レベルでも絶滅危惧種に指定されている。今回初めて記録されたことから、近隣の生息地から飛来したものと思われた。

 白鳥地区を湿地に復元してからもう6年になる。流入水がないため水の管理に難儀し、結局水は天からの授かりものだけで水位を維持してきた。その結果、植物は遷移にまかせて分布を広げ、白鳥地区もかなりヨシやマコモで覆われてきている。
 私は、開放水面だけでは白鳥地区の生物多様性は豊かにならないと思う。かといって、水位が不安定で流入水がない状態では、水質悪化や酸欠による被害が大きすぎる。ある程度の水位を維持できれば、適正な植生分布(モザイク状にマコモ等の群落が形成されている状態)を当面維持できると思う。
 白鳥地区では、元々稲作用に稼働していたポンプ場を活用して水の交換をする意外に手だてはなく、人間の手による水位管理をしていかざるを得ないが、よい意味で「自然再生」のよい実験場として活用していければよいのではないかと思っている。

 ところで、最初に触れたミズアオイのおしべがどっちを向くかということだが、確かに右下を向いているものと左下を向いているもの、両方があった。しかも、株ごとに違うというわけではなく、同じ株で上下に並んで咲いている花同士でも、おしべの位置に違いがあった。受粉に関わる何らかの理由があってそのようになっているはずだが、なんと不思議なことであろうか。まあ、何でもかんでも謎を解明する必要があるでもなく、わからないことが残されている方が「自然」とつきあうには楽しさが続くというものだ。
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